2011年10月1日土曜日

マナー先進国と、そうでもない国々。

日本人として日本に住んでいますと、マナーというのもが欠かせないものであること、このマナーをみんなが守ることでこそ、日本が住みよい国になっていることなどを実感します。

しかし、だからといって、日本のマナーを守れない人に対する日本人によるバッシングがあって良いかというと、それはまた別の問題になります。

自分がマナーを守って慎ましく暮らしていると、マナーを軽んじた行動を目の当たりにしたときには怒りを覚えたりもするものですが、つぎのふたつのうち、どちらがより悪いか? という問題があるんです。

(1) マナーを守らない行動
(2) マナー違反に対する怒りをもった行動

もしも(2)が、節度をもって親切に注意してあげるということならさほど問題にはならないでしょうけれども、そうではなく、もし暴言などともなってしまったら、その時は(1)よりも(2)の方が悪いことになってしまいます。

たとえば中国からの訪日観光客の人が、割り込みをしたとします。
みんなおとなしく列に並んでいたところに、いきなり割り込みですから、並んでいた人たちは怒りをおぼえます。そこでひとりが「こらバカヤロー! ちゃんと並べ!」というように暴言を吐いたとしますと、割り込みよりも暴言の方がよっぽど悪いということにもなってしまいます。特に中国の人なら、割り込みぐらいのことで「バカヤロー」と言われるのは大いに心外でしょうから、深刻な文化の衝突にもなりかねません。

暴言を吐くことなく列に並んでいた人たちも、「バカヤロー」と言ってくれた人がいたことで溜飲を下げたということなら、暴言を吐いた人と同罪にもなりかねません。

マナーはとても大切な「社会のシステム」です。しかし、まったく同じマナーによる「システム」を持たない国の人にとっては、一朝一夕に習得するのは困難なものです。

マナーよりも大事なものだってある。

私たちが異文化とうまく付き合っていくためには、当たり前と考えていたプライオリティを、改めて冷静に見直す必要もあるはずです。