2010年バンクーバーオリンピックの女子フィギュアスケートで金メダルに輝いたのは、2009年世界選手権優勝、2009年四大陸選手権優勝のキム・ヨナ選手でした。
1990年(平成2年)9月5日、京畿道の富川市生まれの満19歳は、5歳からスケートを始め、7歳の時にその才能を見いだされて本格的に練習するようになったそうです。
バンクーバーオリンピックでは、韓国の活躍が目立ちました。金メダル6個、銀メダルも6個、銅メダルが2個の計14個のメダル獲得は、参加82カ国(地域)中、カナダ、ドイツ、アメリカ、ノルウェーに次ぐ第5位でしたから実に見事なものでした。
バンクーバーで冬季オリンピックが開催されることが決まるまで、候補地は韓国のピョンチャン(平昌=평창)が優勢でしたから、選手団がその成績で、開催できなかった悔しさを晴らしたと見ることもできるでしょう。
人口わずか4800万人の隣国の活躍は、私たち日本人も素直に賞賛するべきだと思います。
ところがどうしたわけか、おかしな事件が起きています。日本のインターネット掲示板サイトである「2ちゃんねる」が、韓国からのサイバー攻撃によってダウンして見られなくなっているのです。その発端はどうやら、「2ちゃんねる」にキム・ヨナを非難する書き込みが多かったということのようです。
「2ちゃんねる」は、筆者も情報収集に使うことがありますが、どうもそこで目立つのは、韓国や中国に向けた差別的な内容の書き込みです。最近では捕鯨の問題に絡んでオーストラリアなどに対してもかなりひどい言葉が溢れていました。
掲示板の問題点はただひとつ、匿名投稿ができることだと思います。匿名で、書いた人が誰なのかわからなければ何を書いてもよいというような風潮ができあがっています。でもそのおかげで書き込んだ人の本性が見て取れます。他国に対する誹謗中傷の類は、書き込む人にとってのストレス解消にはなっているのかもしれませんが、そんなことでストレスを解消しなければならないような人と、その行為というものを見て感じるのはただ悲しさばかりです。
相手の国に対して、いったいどれほどの情報をもち、相手の国とのどれほどの経験があってそうした書き込みをするのかと考えれば、誹謗をおこなう人のほとんど全員が、乏しい情報と、ほとんどない経験によっていることは明らかです。
キム・ヨナ選手に対する中傷も、知識と経験の不足した人々によるものだったことでしょう。もちろん、そんなつまらない書き込みにしっかり反応してしまった韓国の人々(おそらく)も、彼らと同レベルだったと見られてしまうかもしれません。
誰か個人を非難するときも、どこかの家族や、地域や、国を批判するときも、批判するのに必要な十分な情報と経験が必要なはずです。それが十分でないことと、掲示板が匿名でなんでも書けてしまうことと、自分に自信が持てない人に限って自分の不幸を誰かのせいにしたがる傾向があるという人間の本性の問題だと思います。