2010年1月9日土曜日

外国語能力とは?

日本の学校での英語授業が、読み書き中心でちっともしゃべれるようにならないということで、会話を重視しようといった意見や模索も見られるのですが、英語という外国語が使えるようになるということ、実はどういうことなんでしょう?



一番よく誤解されていると思われるのは、「読み書きができる。」または、「読み書きならなんとかできる。」といった、読み書き能力を、会話能力とはまったく別次元のものと考えられていることです。

それのどこが誤解かといいますと、例えば次のような英文を見てください。イギリスBBCのニュース記事なんですが、難しい単語が少ないと思われたので拾ってみました。

Hundreds of Australian fans of the singer Elvis Presley have gathered at a train station in Sydney.
They were travelling to an annual festival in honour of their idol, which takes place in the town of Parkes in the Australian outback.
This year Presley, if he had lived, would have turned 75.
(BBCニュースより http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/8447915.stm )

この英文を読んで理解するということは、最初の「 Hundreds of .... 」から、最後の「 ... would have turned 75. 」というところまで、英語をそのまま読んで、意味が頭に入ってくるということです。

ところが日本の学校教育でやっている英語では、英語を日本語に訳す、ということを重視しているようです。それで私たちは、英語は訳して理解するものだと思い込んでしまっています。

自分の母語に訳さなければ理解できないというのは、実は英語を理解していることにはなりません。英語を読んでわかるというのは即ち、読んだ英語を訳さなくても理解できるということだからです。

読み書き能力を重点的にやるにしても、このように、訳さなくても理解できるようになってくれば、耳で聞いた英語も、訳さず頭にすっと意味が入ってくるようになります。

「早すぎてわかないから、もっとゆっくりしゃべって欲しい。」と思うことも、もしそこで、「話された英語を訳す時間が欲しい。」ということなら、英語が理解できるとはいえないことになります。

聞いた英語、読んだ英語を、訳さなくても理解できるようになれば、日本語に訳す時間は必要なくなりますから、すらすら読んだり、聞いたりすることもできるようになってきます。

英語に限らず、これはどんな外国語でも同じです。大事なことは訳さないことですね。逆に言えば、日本語に訳す習慣がある限り、外国語は習得できないということになってくるのです。

外国語は苦手だと思っている方には、「訳さないで理解するなんて、絶対に無理!」と思われるかもしれませんが、学校でやってきた英語の勉強方法をいったん忘れて、インターネットでBBCとか、CNNとかの記事を、わからなくてもわからないなりに、読む練習をしてみてはいかがでしょうか?

もっとも、筆者も英語がさほどぺらぺらではないので、偉そうなことは言えないのですが、中国語なら一応通訳もできるようになった経験から申しますと、やはり訳す時間がない状況が、自分の中国語能力を育てたように思えます。

「訳さないなら理解できない。」というのが、最初の内は当然だと思いますが、そこで訳してしまうと、いつまで経っても、訳さず理解できるようにはなりません。もちろん、知らない単語には訳語も必要ですが、最近はインターネットのブラウザソフトが進歩して、マウスのカーソルを英単語に合わせると訳語が出たりもしますから、わかない単語だけ、最初は訳語をもらうようにして、あとは訳さず頭に入れる練習をしてみることをお薦めします。

もちろん多少の年月はかかると思いますが、このように学習法を変えることで外国語が習得できるなら、楽しみがひとつ増えることになるのではないでしょうか。