2009年12月12日土曜日

中国語って、いろいろあるんじゃないの?

セミナーを担当していて、「中国語って、いろいろあるんじゃないの?」という質問を受けることがよくありましたので、ここで簡単に説明したいと思います。



ズバリ、「中国語=北京語」です。

厳密に言えば、きりがないのですが、中国語とは、北京語を基準にした中国全土の共通語です。
また、台湾でも同じ北京語が共通語として通用しています。

共通語になっていなかったのは、香港です。香港とマカオでは、広東語が使われていますが、中華人民共和国に返還されてからは、広東語というのも中国全体から見れば少数の言語です。香港だけでがんばりたいというなら別ですが、中国と台湾を相手にしたいと考えるなら、北京語だけで通用します。

中国本土と台湾とで大きく違うのは、文字です。

中国では、簡体字(かんたいじ)という簡略化された文字を使っています。台湾では、繁体字(はんたいじ)とも呼ばれますが、昔ながらの文字を使っています。「正しい字」と書いて、正字(せいじ)とも言います。

日本でも、昔は正字を使っていました。今では簡略化された文字が多くなってしまい、昔ながらの文字のことを「旧字体」と呼んだりしますが、その「旧字体」こそが、本来の漢字なのです。

例えばこんな具合です…

正字(繁体字、旧字体)



實際

簡單

醫學

禮儀
簡体字(中国)



实际

简单

医学

礼仪
新字体(日本式簡略字)



実際

簡単

医学

礼儀

こうして見ると、「日本が使っているのも簡体字?」とも思えてきます。中国式の簡体字と共通していたり、本来の正字と共通していたりもしますから、その中間ぐらいでしょうか。

また、中国各地には、それぞれの方言もあります。香港のある広東省に広東語があるように、上海の人たちは、上海語を使うことにプライドがありますし、他の地域にも、南昌語、客家語、長沙語、閩北語、閩東語、閩南語などがあって、さらに細かく分類されたりします。会話では互いに通じませんから、私たちが考える方言というものよりも、もっと外国語に近いのかもしれません。

台湾でも、戦後になってから共通語になった北京語よりもずっと昔から、台湾語と客家語などの中国語の一種が使われています。また台湾には、もともと台湾に住んでいた原住民がいますので、原住民の言語もたくさんの種類があります。「台湾諸語」といって、23もあるとされています。