世界が不況にあえぐ中、中国の経済成長は一向に止まらないようです。もっとも世界は不況を脱したとも見られていて、新政権の日本だけが悪いという見方もあるようですが、中国の経済成長率は群を抜いていて、この世界情勢にあってなお8パーセント以上といわれているのですからすごいものです。
また、韓国ではウォン安の円高で、日本への客足は止まっているように見えますが、輸出産業を中心として不況からはすっかり抜け出たとも見られます。サムスンやヒュンデのような世界的な大メーカーの存在感も、日本だけを除いた世界の全土で、ますます大きくなっています。
ところが驚いたことに、韓国と中国の経済的な躍進に対して苦々しく思っている日本人も、特にご年配の方の中にはいるようなのです。どうしてかといえば、それはどうやら、技術面や資金面で日本がこれまでさんざん援助してきたにも関わらず、日本の特許を侵害し、反日的な政治運動までしているからだということのようですね。要するに恩を仇で返しているのだと言いたいのでしょう。
このような論理は、いたって政治的な視点によるものです。つまりそれは、世界は政治主導で動いているのだという、何十年か前までの発想をベースにしている考え方だと思います。
一方で、韓国や中国の政治は、以前は反日的な言動の見られたこともありましたが、ものすごいスピードで展開し発展している経済の方こそが主導的で、経済成長の力やその行く先を邪魔しないないように、政治自体は遠慮がちであったり、経済を後押しするよう努めていたりします。だからこそ、中国の経済成長があり、韓国の躍進があるのでしょう。
21世紀も間もなく満十年になろうとしています。前世紀は確かに、政治主導の時代でした。政治イデオロギーは常に無視できず、意識して注意せざるを得ず、その強大な政治権力の動向をうかがいながらでないとビジネスは成立しないといった面もあったと思います。ところが今は違います。
特にこの5年ぐらいでしょうか。中国に政治問題がなくなったわけでもなく、韓国でもまだ北朝鮮寄りの思想が存在して大衆を反米や反日へと扇動することが完全になくなったわけでもありませんが、そんなことに気を取られていたら何もできない、生き残れないという時代になってきているんですね。
経済成長が完全にストップし、まったく未知の政権へと交代したのが、私たちの日本です。どうしても、政治には期待したくなるというのも仕方ないことだと思います。
一方で韓国や中国では、ビジネスこそが全てのようです。政治はビジネスに実害をもたらさなければそれで良い、むしろビジネスに着いて来いと言われる側の立場にあります。
こうしたことで、もし日本と中国、日本と韓国に、ビジネスと政治に対する考え方のズレが生じているのだとすれば、「先進国」として中国や韓国の経済成長を手伝ってきた時代とは、考え方が逆転しているのだということになりますね。
うかうかしていると前世紀の発想から抜けられず、中国や韓国に置いてけぼりを食わされることになってしまいます。




